信長最大の敵「石山本願寺」
信長編に戻ります。
前回の「姉川の戦い」でどうにか浅井・朝倉に勝った信長軍でしたが、包囲網は弱まるどころか増大していきます。
信長はこれからなんと10年もの間、石山本願寺を中心とした一向宗と戦うことになります。
織田軍 vs三好三人衆
1570年、将軍殺しでも有名な三好三人衆と織田軍の戦いが始まります。
野田・福島の戦いにて圧倒的な兵力差で三好三人衆を追い詰めていく織田軍でしたが……
中立の立場だった石山本願寺が挙兵
しかし、中立の立場だった石山本願寺が突如信長に刃を向けます。
戦闘のプロでないとはいえ膨大な数の門徒を抱える本願寺は、信長の生涯で最も長きに渡り戦う最大勢力となります。
同時に浅井・朝倉も進軍
当初三好三人衆を討伐するだけの戦だと思っていた信長軍ですが、なんと本願寺と浅井・朝倉という二大勢力による完全包囲の罠でした。
将軍足利義昭の求めに応じ、日本中が「信長討つべし」と織田軍を狙います。
このままでは浅井・朝倉によって信長軍の退路は完全に断たれようとしていました。
最後の砦「宇佐山城」
信長絶体絶命の状況で、唯一かつ最後のおさえとなった拠点がありました。
森可成が守る宇佐山城です。
そうです。「本能寺の変」で最後の最後まで信長の隣で戦った小姓、森蘭丸の父親です。
1500 vs 30000
浅井・朝倉の兵力は30000。ここで全てを終わらせるべく最大限の勢力を投入した敵に対し、森可成率いる兵力はわずか1500。
しかし可成はここで素通りを許せば信長の天命も尽きると、わずかでも時間を稼ぐべくたった500の兵を率いて討って出ます。
500 vs 40000
なんと森可成はたった500の寡兵でも30000の大軍を食い止めます。
後述しますが森家は息子たちの方が有名になるものの、父親もこの戦で歴史に残る猛将となります。
しかし……。
ただでさえ一矢報いるので精一杯の勢力差に加え、さらに敵軍に10000の援軍が到着します。
比叡山延暦寺の僧兵も参戦
あの信長を討てるとなれば、どこからともなく敵の敵が味方となり包囲網は厚くなります。
まさに一騎当千、獅子奮迅の抵抗を続けた森可成軍ですが、ついに力尽きて討ち死をします。
500の兵、全員が討ち死という壮絶な戦いでした。
全員短命だが強者揃いの森家
実は、信長配下で信長より先に討ち死する有名な武将はあまりいません。
その中でも森可成が有名ですが、森家で最も有名な蘭丸は実は三男であり、長男はすでに戦死、四男、五男は蘭丸と共に本能寺で討ち死にをします。
また、次男でこの後大暴れをする(大問題児)森長可も、信長の死後秀吉と家康が戦った「小牧長久手の戦い」で戦死します。
親子総出で信長時代を生き切った、歴史に欠かせない一家だったと言えるでしょう。
※書きながら思い出しましたが、学生時代に筆者の先祖を調べたところこの森家に仕えていたそうです。祖父がそんな話もしていましたし、わずかながらに特別な思いが残る戦いです。
◇◆関連歴史書◆◇
ついにきちんとご紹介ができますが、最も好きな歴史小説の1つであり、2014年本屋大賞を受賞した名作です。
『村上海賊の娘』
和田竜氏
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まさに信長 vs 石山本願寺を描いた作品です。
別記事でもしっかりご紹介しますが、全4巻一気読み間違いなしです。
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著者:ひさなお
TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
慶應義塾大学→UCLA→大手IT企業。
第3回マイナビ作品コンテスト最優秀賞受賞。
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