2018年2月25日日曜日

<歴史マニアの半歩深読み> 新大河『西郷どん』

戦国5回、幕末4回、最後まで観た率20%(この10年)

この10年で戦国時代が5回、今回の『西郷どん』で幕末も4回目となる大河ドラマ。

こんな歴史ブログを書いたり(戦国ブログランキング1位らしいです今)、小さな文学賞を獲る程度には時代小説(歴史小説よりも何でもあり)も書いている私ですが、最後まで観たのは『軍師官兵衛』と『真田丸』くらいです。実は『龍馬伝』の時は留学しており終わり頃しか観られなかった…。

昨年の直虎は出だしはよかったですが、一生くんが死んでからは見る気が無くなりました。


歴史好きはすでに一般的な説からマニアックな解釈まで知識はたらふくあり、「この作品ではどう描くか」を楽しみにしています。直虎に関しては元々情報が乏しく、歴史の大局に大した影響も与えていません。正直「歴史的にどうでもよい小さい家のホームドラマ」になってしまいました。

最後の本能寺では以前に私が熱烈な書評を書いた新説が採用されており(最終回だけ確認)そこだけは安心しましたが。


林真理子なのに(だから?)面白い『西郷どん』

さて、今年の大河ですが、一か月半観てきて今回は期待できます。


[おすすめ度] ★★★★★  

[歴史学べる度] ★★★☆☆

[テンポ・面白さ] ★★★★☆

[演技力] ★★★★★



原作林真理子の時点で、「ああ、また歴史無視したホームドラマか…」と正直期待できなかったのですが、始まってみるとなかなか面白いです。

先ず、流行りの俳優を使い可愛さや色気頼みのキャストではなく、実力派俳優による安定感ある布陣ですよね。

また、可も不可もない林真理子氏(失礼、でもコピーライターとかいう商売からそこまで成り上がればもういいでしょ)の原作によって、結果的に「ドラマとしての面白さ」が上手くはまっている気がします。


さすがにジョン万次郎と若き西郷が偶然会ったりと、「知ってる歴史人物とりあえず突っ込む」感にはどうしようかと思いましたが、まあ、この物語が描きたいポイントが別であればドラマとして見ればいいのかなと。脚本や演出が上手いのでしょう。


そもそも今なぜ討幕側を描くのか

それでは歴史の話をしましょう。

そもそも、討幕側を正義として描くことはもはや時代遅れだと私は考えます。

尊敬する人物は坂本龍馬。憧れる生き方は幕末の志士。

そんな「フィクション」を本気で口に出せるのは政治家くらい頭があれじゃないとしんどいです。

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詳しくは下記書評で書きましたが、研究が進んできた現在では、例えば最高級の英雄として描かれる坂本龍馬は、司馬遼太郎氏が創り出した完全なる「虚像」であり、ドラマや映画で描かれる歴史の常識の多くが「単なる物語(=嘘)」であることはむしろ常識ではあります。

明治維新という過ち [原田伊織氏]  


また、歴史とは勝者が作る物です。

戦国は秀吉と家康が、幕末は長州と薩摩が「自分たちの物語」に書き直しました。

今では特に長州の「異常な」殺戮には、正直「革命に犠牲は付きもの」などという抽象的な話では全く収まらないものがあります。

彼らが昭和陸軍になるわけですが……、まあこれ以上この話をしても私に得る物はないのでこのへんで。


西郷隆盛だけは好き

その中にあって、西郷隆盛だけは好きです。

戦国に比べてはるかに資料の多い幕末ですから、大分彼の人物像も再現性が高くなってきたと思います。

彼の、自分の利益を超えてどこか天命に突き進む姿は、たしかに歴史に名を遺すべき人物です。

よく考えれば、彼は最終的に歴史側の「敵」になるわけですが、それでもこれだけ英雄として語り継がれてきたことを考えると、それだけ稀有で正義の男だったのかもしれません。


諸説ある大久保利通との仲


まだドラマは始まったばかりでネタバレになるので今回は控えます。(歴史にネタバレって何だ)

しかし、やはり西郷とくれば大久保(瑛太)との真相。

司馬遼太郎氏が描いたような本当に親友だったのか、それともいずれ殺し合う根源には大久保の闇があるのか…。

おそらく『西郷どん』では「西郷の生き方としてこうするしかなかった」という構成にするのでしょうが、数奇な人生を辿る西郷をどう描くのかは楽しみの一つです。


以上、1円にもならないながらせっかくランキング1位だし更新するか、ということで幕末記事でした。

(よく考えると戦国ブログに書く記事ではないな。笑)


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著者:ひさなお
 
 TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
 慶應義塾大学→UCLA→大手IT企業。

  第3回マイナビ作品コンテスト最優秀賞受賞。 

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